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□神様の足を王様は掴む
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ぎゃは、なんだろうこの感情。





みんなして覚悟もねーのに芝の上走っちゃってさ。
もう、殺したいね、あんなのは。
かといって思うままに突っ走れる椿君なんかもムカついちゃうもんだから困っちゃうよね。






なんにも知らないカオしてさ。
…いいねぇ、若いって!








どうして君みたいな奴を達海さんが後押しするのかが解らないよ。
だって達海さんも足壊した奴なら(俺と同じ境遇にいたのなら)
椿君みたいのは壊したくなっちゃうのにさ。







はははは、なんだろうなぁこの感情。










ああ、そうか。






フットボールの神様は達海さんから妬むという感情さえ奪っちゃったのか。
とことんあの人を芝の上から引きずり離したワケね?







達海さんが何をしたっていうの?(俺が何をしたっていうの?)
アンタにメーワクなんかかけた?(むしろアンタを満足させるプレーをしてきたのに)
あんなに魅了させた人から大切なもの持ってって(俺からも持ってくなんて)
妬む感情さえも奪っていって(俺のは持っていかないクセに)
そのくせ世界に置きたがる(そして縛りつける)













俺はね椿君を通してアンタを殺したいんだ、かみさま?









俺は王様だから誰かに指図されるのも勝手に決められるのも大っ嫌い。
(あの人は王様なのにまわりの家来や大臣があの人の感情や思考を押し殺しちゃった)


















だは、なんだろうな この感情。

















(達海さん、あんたもこの感情を持ってるの?)
(それとも奪われちゃった?)
(あんたのことだから押し止めてるのかな?)















身を委ねたら神様なんか引きずり降ろせる気がするんだ。
















(そしたら達海さんもこの世界のこの場所に戻ってこれるよ、きっと)










(達海さんの奪われた感情も達海さんが忘れたふりをしてる俺を今支配する気持ちも)
(あんたの足も俺の足も)












(きっと取り戻せるから)




















(だから少し待っててね)
だからもう少し持ってね俺の足。

























その感情が狂気だとは気付かずに















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