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□星座占いも呆れる恋心
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『今日の星座占い、ざんねーん…座の人は最下位!普段しないようなドジをしてしまうかも!ラッキーアイテムは……』
今朝たまたまついていたテレビの星座占いが最下位だった。
いつもならそんな星座占いも「最下位かぁ」と思うぐらいで気に病んだりはしなかったし、今朝も実際にそう思っていた。
だからマンションのエレベーターが故障で使えずに階段を使った・とか駐車場に行ってから車の鍵を家に忘れたことを思い出して、わざわざ階段を往復した・とかも「ついてないなー」と思うぐらいだった。
…そう思っていた自分が今はとても懐かしい。
コンビニの袋に入ったサンドウィッチ、それから缶ジュースを見てため息を吐く。
空気は気分とは裏腹に快晴で、それがますます気分を落ち込ませた。
朝、昼御飯を買うのを忘れたことをクラブハウスの駐車場で思い出し時間もあるから歩きながらクラブハウスの近くのコンビニへ行くと、いつも買っているサンドウィッチが売り切れだった。
しかたないから適当に買ってクラブハウスへ向かっていたら途中飲み物を買うのを忘れたことに気づいた。
…どうしてこうもついてないんだろう、俺。
はぁーとため息を吐き、自販機を見つけてスポーツドリンクを買おうとすればいつも愛用しているものは売り切れ。
あーあ、と思いながら他のスポーツドリンクを買おうとボタンを押せば何を思ったのか全然違う缶ジュースのボタンを押してしまった。
見たことも飲んだこともない缶ジュース。
買い直す気もなくなってコンビニの袋へと仕舞った。
グランドを見、練習でもついてないとか思うようなことはしないように気を付けよう、とか思いながら更衣室へ向かう。
「あ、熊田さん、ちょーどよかった!」
「え?」
廊下を歩いていた広報の永田さんに呼び止められる。
足を止めると段ボールを抱え、明らかに今忙しいであろう状態の彼女は歩み寄ってきてとんでもないお願いをしてきた。
「達海さんまだ起きてないみたいなの。
今手が離せないからどうしようかと思ってたんだけど…熊田さん、達海さんを起こしてきて!」
と。
占いってこんなにも当たるのか・そう恨めしい気持ちに支配された目で手に持つコンビニの袋を見下ろしたのは言うまでもない。
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