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『付き人は王様を尊敬していたから眩しすぎるその背中を追っていたというのに




それが王様を見失うひとつの要因となってしまうだなんて
(後ろをついて歩くのではなく隣にいたらその背中を見失わなかった?)






付き人は王様を尊敬していた






だから自分のせいで王様が死んだと悔やみ守れなかった自分を責め続けた。











騎士は王様を想っていたから彼が感情を吐き出せる場所を教えたというのに



それが王様が殺されるという悲劇の、ひとつの原因となってしまうだなんて。
(支えようとしていたら、教える必要はなく王様は死ななかった?)





騎士は王様を想っていた





だから王様が殺されたのは自分のせいだと悔やみ、涙を足許に落とし唇を噛み締めた。












王子様は王様に恋をしていたから王様の気持ちを尊重することを決めふれることを躊躇していたというのに




それが灰のように朽ち果てた、ひとつの叶わぬ願いとなってしまっただなんて。
(ふれることに躊躇わず、さらっていたら喪うことなんてなかった?)






王子様は王様に恋をしていた






だから自分の躊躇いがこれを産み出したと思い、ただただ嘆き続けた。














魔王は王様を愛していたから笑ってほしいと言った彼の為に笑ったというのに



それが王様を殺した罪人へとなる、ひとつの証拠となってしまっただなんて。
(すでに笑い合っていたら泣くことができて悪者にならなかった?)





魔王は王様を愛していた





だから自分のせいで王様が死んだと悔やみ 真実を口にはしなかった。

















それは王様が好かれていたが故の








絡み合いに絡み合った、
縺れ合うに縺れ合った、







ひとつのお伽噺。














縺れ絡み合ったそれをほどくことができるのは亡き王様しかいない。









何故なら縺れ絡んだ理由がなんであろうと、







間接的でもそれらが縺れたのは絡んだのは彼が原因であるのだから。











しかし亡き彼にはそれをほどける手は無い。















ならば誰がほどく?










彼の生まれ変わり、だ。






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