□◆
1ページ/8ページ






小さな子供も眠った深夜の時間。

電車やバスの終着に乗れなかった者は皆、道路にむかい手をあげ一台の車に乗り込み帰っていく。



――都心の深夜。



そんな者たちを運ぶ不思議な不思議なタクシーのドライバーがいた。


決して昼はタクシーを運転せず、毎晩決まって運転をするわけでもなく――それこそ神出鬼没に――不規則に現れて気まぐれに運転をするタクシードライバー。
…にも関わらず乗車客が同じ時間帯に運転しているどのタクシーよりも多く、その時間帯の乗車客からなぜか人気な――不思議なタクシー。








「やっぱ今日は勝つと思ってたんだよな〜」






道路脇にタクシーを停め運転席を存分に後ろへと倒し、寝っ転がりながらスポーツ紙を読んでいる運転手こそがその不思議な不思議なタクシードライバー。
いつも炭酸の抜けた甘い缶ジュースを口に運んでは、スポーツ紙を読んでいる。







「…そんじゃまぁ」






深夜という時間になった頃、漸く運転手は座席を元に戻し――ハンドルを掴む。






「仕事すっかー」




今宵はどんなお客様を乗せるのやら。

不思議な不思議なドライバーが運転する不思議な不思議なタクシーは静かに発車した。
















☆タクシードライバーぱろでぃ








大学生とタクシードライバー→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ