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□俺と彼女のスキャンダル!
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サンサンサンシャイン!
真っ白な浜辺!
やってきたぜ夏の終わりの海!

どうもこんにちは☆
永遠のアイドル丹波聡デス!


今日はなんとETUのメンバーで海に来てます!(なんでも日頃の練習で疲れた体を癒すためだとか)


ぶっちゃけ海は泳ぐにしてはもう寒いかもね!
そんなこと思ってたけど我らが女王様こと監督は笑顔で「じゃあ軽く一人一キロ泳いでこようか」とか言っちゃったりして。
(それが今日の練習メニューとか冗談キツいよね!全然癒されないよね!)





まぁそんなわけで若干三途の川泳いじゃったわけなんですが、




ここからが重要!!




俺と石神くんはてっきり監督のナイスバデェお披露目タイムだと思ってたんですけどね、
なんと後藤GM(独身)の許可がおりなくて(つーか申請しなきゃいけないとかどうなの)監督はジャージです☆




海なのに!
浜辺なのに!!

夏なのに!!!




監督はジャージなんです!!




そんなわけでてっきりR指定入っちゃったらどうしようかなとかワクワクテカテカしてた僕らなんですが過保護な保護者のせいでテンション急降下!
二人寂しく浜辺に寝っ転がってるわけなんです。




「あ、なお今までの言葉の中で不快に思われるような文がもしありましたらお詫び申し上げます。堺くんのグラビア写真集あげるんで許してくだ

「おまえはブツブツブツブツ、なにを一人で喋ってやがる!!」





世良から半ば奪い取る感じでビーチボールを取った堺が、丹波の頭に洒落にならない速さのボールを当てる。
反動で砂浜に顔がめり込んだ丹波の横では石神が「あーあ」とつまらなそうにため息をついていた。





「監督のビキニみたかった」

「ぶばっ…いやここはスクール水着」

「っだははは、マニアックすぎだろ!!どこのアダ



「丹さん、ガミさん、真っ昼間からそういう話で盛り上がるのはやめてください」




止めに入る堀田の肩に石神と丹波はそれぞれ腕を回すと「だってよ、堀田ぁ」と砂浜でくつろいでいる達海を見る。





「監督の水着姿だぜ?」

「見たいと思うのが男だろ?」




ETUの監督、達海猛は女である。

しかも道を歩けば誰もが振り返るナイスバディな美人。
そんな人の水着を見たくないと思うだろうか。




「よし、椿。
監督に一緒に泳ぎましょうとかなんとか言って水着に着替えさせてこい」


「!?うぇ、な、なんで」



海から上がってきた椿が突然話を振られキョドり始める。
なんで椿?と首を傾げた堀田に石神と丹波は「ばかやろ!」と声をあらげた。





「俺たちが誘ったらさすがの監督も警戒するだろ!」

「ここは純粋無垢な椿で勝負しにいくんだよ!!ほら行ってこいッ」



げしっと尻を蹴られた椿が「うぅ…」と言いながら達海の元へと駆けていく。
達海は駆け寄ってきた椿に「どうしたの?」と首を傾げた。





「あ、あの、俺、」

「?」



「か、監督と、えと、その、あの、海、海………」



「!!…椿ッ!?」





ぷしゅーという音と椿の頭からもくもくと煙が漂うのが見え、椿がゆっくりと後ろへ倒れていく。




「つ、椿ー!!」

「ていうかそういうことなら早く言ってくださいよ。
俺に任してください!」




椿を回収しに行った熊田を見ながら事を見守っていた世良は自信満々に言うと――達海の方へ歩いていった。
片手にデジカメを持ちながら。






「なるほど、夏の思い出として皆で一枚撮りたいから水着に着替えて作戦か」

「ストーカー世良さんに1000円」

「…1000円」

「かつ想定外の発言して堺くんのラリアット喰らうに2000円」



ぽん、と手を打つ丹波の横では赤崎と堀田、石神が世良の背中を冷めた目で見ていた。





「達海さん!」

「ん?」



ばっと世良はデジカメを見せると堺と話していた達海に無邪気な――あくまで無邪気な笑みを浮かべる。
よし、そのまま言うんだ!丹波が拳を握ったのと同時に世良は口を開いた。




「『達海さん365日日記』に水着姿更新したいんで、水着着てください!
あ、できれば白ビキ…」



ラリアット。







「さて次の一手だが」

「何してるんですか」




何も見なかったことにした一同に黒田と飲み物を買いに行っていた杉江が歩み寄ってくる。
詳細を石神が説明すると杉江は「なんだそんなことか」と呟くと達海を呼んだ。




「お、スギとクロちゃん、飲み物ありがとね」

「はい、お安いご用です」



歩み寄ってきた達海に杉江は爽やかな笑みを浮かべたまま――「今日はいい天気ですね」とでも言うのと同じように――さらりと言い放った。





「達海さんの水着姿見たいんで、着てくれませんか?」




「え、俺のぉ?」

「はい。着てください」

「水着持ってきてねぇよ?」

「王子が持って来てましたよ?
達海さんのために」



「えーー…仕方ねぇな」




歓声。そして拍手喝采。
それから一ヶ月杉江は選手たちから崇められたという。





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