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□白昼夢に射られる
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「……ッ!」
はっと目を醒ます。
ガラにもなく飛び起きた自分を嗤うことさえ出来ずに左胸を握りしめ、
荒い息を整えようとゆっくり深呼吸した。
「……、」
数分経ったか、ようやく自分が飛び起きた原因について思考を巡らせる。
そう、長い夢をみていた。
あれはそう、中学時代の自分だった。
バスケをつまらないと思う自分に気づいた頃の俺がそこにいた。
一心同体である影を捨て、
ただただ現状を変えてくれる存在を求めていた。
纏わりつく影が邪魔だとそれを放り手を離した。
隣にいる大切な存在を見境なく突き放した。
影は要らない、だから、
俺を楽に息させてくれる存在が、そう、君が、ほしい
そう想った頃にはすでに突き放していたその手。
突き離さないと気づけなかったその願望。
意地っ張りな俺はその願望を口には出来ずに
手に入らないのならばと君から離れた。
その時だ、
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