脱色/短夢A

□色が失われた世界
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あれは悪夢の様でした





温かい光の中に包み込まれるように私達はその中にいた
ギンと二人で手を繋いで嬉しそうに幸せそうな笑みを零して
周りには色とりどりの淡色の花が私達を囲むように咲いていた。



歩く度に足元がグラデーションの様に色が変わって
それがとても綺麗でそれを君も共感してると思い
隣のギンの顔を見つめてた。けど、私の視線に気付いていないのか
気付いてるのか分からないが只、前を見るばかりであった。
こっち振り向いてくれないかな、とニコニコとして見つめ
待っていたがギンは真っ直ぐな目を私に移そうともせず

依然、振り向いてはくれなかった。



少し、寂しい思いでしゅんと下に俯いて前に向き直した私。
気付けばグラデーションは明るい色からだんだんと暗い色に
変化をしていて、その先は真っ黒い道が続いていて変化も何もなくて
そこから色は無くなっていた。



私はゾッとした。其処に足を踏み入れたらどうなるか分からない。
怖かった。気付いたらもう明るい色は無くて暗い色しか残っていな
かった。ねえ。この先に進んだら危ないんじゃない?
どうなるか分からないし何だか…、其処で息を呑んだ。



どうしようか?そういった意味でまたギンの顔を覗いた。




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