裏学園便り
□熱が出る時。
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「バーカ……冗談だ」
「は?」
「ヤダね。決まってんだろ?大体重いし…オレ様は、箸より重い物は持たない主義…」
「………………にゃろう」
「…ま、何だ、アレだな」
「?」
若月はコホンと一つ咳払いすると、リョーマに向かってニヤリと笑って言った。
「肉体労働は…アッチだけで充分だろうが?」
「っ!!」
「なかなか良い反応するなぁ……越前リョーマ君?」
「う…」
この男が敬称をつける時は、要注意…と誰かが言っていた気がして、リョーマは口を押さえた。
「なるほど…あの陰険眼鏡が、目をつける訳だ…活きが良くて生意気で…オマケに将来有望な器量…」
「…」
若月はリョーマのアゴを取り顔を近付けると、唇が触れる寸前で止めた。
「…さすがのオレ様も、病人を苛める趣味はねぇ…」
「…充分…イジメ…じゃないんスか?」
「……可愛くねーな、マジで…」
若月は掴んだリョーマのアゴから手を離し、ベッドにリョーマを戻した。
「よし、今から医者呼ぶから、マジで寮に帰って休め」
「…」
「なんだ?まだ何か言い足りないのか?」
「………別に…」