学園便り
□新入生がやって来た
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季節は春
春休みが終わり新学期を迎えた君逢学園職員室では、新学期最初の職員会議が行われていた。
「さて、いよいよ新学期が始まった訳ですが――――」
春休み中に読んだ熱血学園マンガに影響され、校長の話を熱心に聞き意欲を燃やしているのはC組担任の環。
その横では、B組担任の中嶋が真面目な表情でメモをとっている。が、その内容は校長の話と程遠いものである事は本人しか知らない。
更にその隣には、まったく遠慮する事なくふんぞり返りながら、大口を開けて眠っているA組担任のレオナードが居る。
『何故この3人がクラス担任を任されているのだろう?』
その様子を見た誰もがその疑問を抱いてはいたが、その反面自分に面倒事が回らなくて良かったと思っている節があり、3人が何をしていてもある程度は文句も言わずにいた。
「―――以上、少し長くなりましたが、今日も1日頑張って参りましょう!」
「「宜しくお願いします!」」
校長の話が終わると共に教師たちは各々の仕事に取りかかる。クラス担任たちも、荷物をまとめ自分たちのクラスに向かう準備を始めていた。
「レオナード先生、中嶋先生、須王先生、ちょとよろしいですか?」
そこへ校長が現れ、3人の肩を順に叩きながら呼びかける。
「皆さんに嬉しいお知らせです。実は、今日から新入生を迎えることになりました。」
「「新入生!?」」
至極面倒くさそうなレオナード
企み含めた笑みを浮かべる中嶋
キラキラと期待に目を輝かせる環
3人は校長の言葉に同じ返事をハモりで返しながら三者三様の反応を示す。
3人を見回した校長はウンウンと頷くと
「はい、新入生です。各クラスに2人となります。教室まで連れて行って下さいね?」
手に持っていたプリントを配り始めた。