裏学園便り
□熱が出る時。
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あ〜…
…だる…い…
白い天井、白い布団…体に馴染まないベッド…静かな部屋。
越前リョーマは登校するなり体に悪寒を感じ、学園の保健室で横になっていた。
そんな中、時折聞こえるのは、カーテンの仕切りの向こう側に居る、保健医の椅子が軋む音くらいだった。
ピピッと小さな電子音が響くと、仕切りの向こうから保健医が手だけを出した。
「見せてみろ」
「…ッス」
「あ〜結構あるなぁ…どうする?ここで寝てても構わないが、寮に帰って寝とくか?医者も呼んでやるし…」
保健医の声に反応するのも、辛くてリョーマはベッドに体を預けたまま、ボ〜っとしていた。
「お〜い、返事くらいしろ〜」
「…面倒…くさい」
リョーマがやっとの返事をすると、今度は事もあろうに咥えタバコのまま、この不良保健医は顔を出した。
「なら、オレ様の抱っこで、寮まで送ってやろうか?」
あまりにもサラリと言われたので、リョーマは頷きかけて思考回路が止まり、次の瞬間慌てて体を起こした。
「わ、若月先生!な、何を!!」
熱で赤いのか、はたまた動揺して赤くなったのかわからない表情で、リョーマは保健医こと若月龍太郎を睨んだ。
そんなリョーマを見て、若月はフイとソッポを向いて言った。