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□あと、少し。
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ゲーム会場へ向かい会場入りした所で違和感に気がついた。

今まで当たり前のように隣に居た君が、居ない。


前回のゲームで遂に君をこのゲームから抜けさせた。


念願叶った事実に心の底から喜ぶべきなのに

心の底から喜べない自分が居る。



彼女はここに居ちゃいけない。

居ないことを望み、居ないことを喜ぶべきなのに


何故居ないことに違和感を覚え、

隣に居ない事実に‥悲しむのだろうか?


最良の方法だったんだと頭では理解していたが、

いざ会場に着いてみれば心がついていかなかった。


自分にとって、彼女はこんなにも大きな存在になっていたなんて。


でも、もう遅い。

彼女は負債無しで綺麗さっぱりゲームから抜けさせたし

彼女はこんな世界と繋がっていてはいけないんだ。



何より、汚れた自分の隣に居ることなんて‥














「秋山さんっ!」


幻聴かと思った。

でも確かに聞こえた声に振り向くと、彼女がいた。


「‥戻ってきちゃいました」



君の笑顔を見て、嬉しいと思ってしまった自分を戒める。

何故、何故‥



ふと視線を感じ彼女から視線を外すと、

フクナガが何か言いたげな笑みを浮かべてこっちを見ていた。






君の離脱をあんなに願ったのに、

また一緒に居られることが嬉しい。




その気持ちを消すことは出来なかった。



















傍にいて欲しい。



今だけ、だから‥。










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ドラマ版なら2と劇場版の間。

原作なら秋山によって負け抜けさせられた直ちゃんがナガ様の協力で敗者復活から上がってくるイメージで。







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