臨也総受け
□馬鹿なことは言わないで下さいね
1ページ/1ページ
ん?
……あれだけ言ったのに、またあの人は……
竜ヶ峰帝人は、平和島静雄とアソンデいる折原臨也を見て溜め息をついた。
仲良く殺しあっている二人に臆する事なく近寄る。
「臨也さん」
臨也は急に聞こえた声にびくっと肩を震わせ、思わずナイフを取り落とした。
「ぐはッ!」
当然静雄の拳をかわしきれずにモロに入る。
膝をついた臨也に、何事もないかの様な笑顔で言った。
「何をしてるんですか?」
「っ……ぐ、……帝人、くん……」
焦る臨也にお構い無しに、前髪を乱雑に掴み、強引に顔を上げさせる。
「何度貴方は同じことを言わせるんですか?」
帝人は笑顔で臨也を見下ろし、唖然としている静雄に体を向ける。因みに、ここは池袋もはずれなので人通りは殆ど無い。
「静雄さんにも言っておきますね。これは僕のモノなので、手を出さないで下さい」
口がこれでもかというほど開いた静雄を前に、いつも通りの笑顔で
「それじゃあ、僕はこれで」
と言うと、すぐに臨也に向き直る。
「立って下さい」
臨也を無理矢理立たせ、
「こんな所で遊んでいるんですから、今日はもう暇なんですよね。
それじゃあ、僕の家に行きましょう」
と臨也を引っ張って歩き出した。
後には何が起こっているのか全く分からない静雄が残された。
×××
「さぁ、入って下さい」
帝人は家の扉を開け、臨也の背中を押す。
「っな……!?」
馴染みない光景に、思わず臨也は立ち止まった。
しかし帝人は不思議そうな顔をして
「どうかしましたか?」
と言いながら、薄暗い室内に入る。
いつも通り、帝人はまずパソコンのスイッチを入れる。静かな部屋に起動音だけが響く。
パソコンが立ち上がり、画面に光が浮かぶと、部屋の異様さが際立った。
「ふふ…… 臨也さん、こういうの好きでしょう?」
帝人は楽しそうに言った。
「なんせ、……ドMですしね」
ガチャリ、と帝人は天井からぶら下がる鎖を鳴らす。
「さて……」
素早くメールを確認し、帝人は再び臨也の前髪を掴む。
「言い訳でもしてみますか?
それとも、土下座でもしますか?」
明かりはパソコンのディスプレイだけ。銀色の鎖が冷たくその光を反射している。
少年は年上の男を跪かせて、にっこりと笑った。
――――――――――――――
ただ黒ーい帝人様が書きたくなった。
この後きっとシズちゃんは新羅の所へ行ったんだと思います(*´∇`*)