臨也総受け

□2
1ページ/1ページ







 臨也の視線は鎖に固定されている。


「何か言ったらどうですか?」


 前髪を引っ張り無理矢理顔を向けさせる。何も知らないパソコンが暢気にメールの受信を知らせた。


「あれだけ僕以外の人と仲良くしないで下さいと言ったのに……」


 溜め息をついて、パソコンへ向かう。正臣だ。今から何処かに行かないかというお誘い。


「言いましたよね、臨也さん……」


 用事があると断って帝人は鎖を掴む。部屋に響いた重たい音に、臨也は慌てて口を開いた。


「でもさぁ帝人くん、いくらなんでもそれは無茶だよ。
 俺にも仕事はあるんだか――っ!?」


 臨也の手首に鎖がかかる。


「あれは仕事ですか? ……違いますよね」


「でもシズちゃんが、」


「でもシズちゃんが、何ですか? あなたなら、確実に遇わないように出来るはず…… あなたは、情報屋なんでしょう?」


 臨也は黙り込む。もうこうなったら帝人を止める事は不可能だ。

 ……今までの経験的に。


「さぁ、臨也さん。……どちらがいいですか?」


 突然の質問。意味がよく判らない。臨也が黙っていると、帝人は楽しそうに言った。


「僕が脱がしましょうか? それとも自分で脱ぎますか?」


 手首を繋がれた状態で脱げる訳がない……


「ふふ、脱げる訳なかったですね……」


 ビリリ……と帝人は容赦なく臨也の黒いシャツを引き裂いた。


「ちょ、帝人く――」


「何ですか?」


 斜め下からパソコンのライトに照らされた帝人の顔は寧ろホラーだ。


「優しくなんて、しませんよ」


 貴方が悪いんです、と小さく呟いた。それはまるで、自分は悪くないと言い聞かせているかのようだった。


 臨也は知っている。

 これはヤバい……と。


 冷や汗が静かに背中を滴り落ちる。同時に今日の自分の行動を激しく後悔した。

 しかしまぁ、今更後悔しても遅いのである。帝人は無駄にいい顔で笑っているが、その身には絶対零度のオーラを纏っている。


 帝人の手がベルトに伸びる。

「さあ、臨也さん、遊びましょう?」


「……この状態で遊びましょうなんて……楽しいのは帝人くんだけなんじゃないかな?」


 臨也は小さく抵抗してみる。

 だって、いくら何でも年下に良いようにあしらわれているだなんて、ね。



   ×××



「っ!?」


 いきなり視界が暗くなったと思ったら、眼前に帝人の顔があった。


「んっ……ふ……」


 驚いて開いた口に舌が侵入する。臨也が初めてのはずなのに、帝人は器用に臨也の口腔を犯す。


 執拗に、激しく。


 息すらさせて貰えない所為で、臨也はもう上気している。


「っふ……はっ……」


 帝人の目はもう獲物を捕らえた肉食獣のそれ。

 一方的に貪った後、帝人は一言。


「臨也さん、たっぷり遊びましょうね?」

 クスリ……


 臨也はそんな擬音が聞こえた気がした。


 帝人はピンクの小瓶を出し、それを一気にあおるとまた臨也の口腔を犯し初めた。


 口に入ってくる甘い液体。それは言われるまでもなく媚薬。

 ぴちゃ、ぴちゃ……

 帝人はわざとらしく音をたててキスを貪る。


 そんな中で媚薬を拒む事はできない。臨也は渋々それを受け入れ、必死で息をする。

 目の潤んでいる臨也に、帝人は少し余裕がなくなるのを感じた。





――――――――――――――



 ヤバい……

 臨也虐めるの楽しくなってきた




 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ