臨也総受け

□雨のち晴天
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 ぽつ、ぽつ、ざああ――……


「うわ最悪」


 自称21の青年折原臨也は池袋の中心で立ち止まる。


「俺傘持ってないんだけどなぁ」


 どうしよっかなー……あ。


「シーズちゃんっ」


 臨也は静雄の前に躍り出る。


「なっノミ蟲!?」


「入れて?」


 臨也は上目遣いに(意識しなくてもなるが)ふんわりと笑う。


「誰が入れるかっ」


 吐き捨てられた。臨也の目にじんわりと涙が浮かぶ。


「え、ちょ……分かった入れるからこんなとこで泣くな!」


 やった。


「ありがと、シズちゃん」


 相変わらずだね。そんなトコが好きなんだけどさ。


「だからその呼び方止めろって」


「えー? やだ」


「てめぇ……」


「わー待って! 傘が傘が!!」


「ん、あぁそうだな。折角トムさんに貰ったんだし」


 え…………


 再び臨也の目に涙が浮かび始める。


「もういいよ、シズちゃん」


「は?」


「ありがとね、じゃあまた」


 臨也はひらりと傘から出ていった。


「おい、風邪ひくぞ。なんか用事でもあるならコレ持って行け」


 慌ててシズちゃんが俺の手に傘を押し付けてきた。


「どうせ俺の家は直ぐそこなんだ」


「え……でも」


「いいから。じゃあな」


 ウソ……

 シズちゃん、顔赤かった……


 何に照れてたのかな……?


 シズちゃんも俺のコト意識してくれてたりしたら嬉しいけど……


 ないよね。


 ……帰ろ。


 ありがとね、シズちゃん。



 ざああ――……



――――――――――――――


 ほのぼのとした雨の日のヒトコマ
 何故だ。臨也が可愛い←

 晴天は勿論、臨也の心です


 

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