臨也総受け
□僕以外見ないで下さい
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登場人物*帝人*臨也*正臣
ジャンル*帝臨*帝人くんが変態&ドSです←
※少し長めです
☆企画サイトa believerさまへ提出致しました
ここは東京、池袋。数々の日常と非日常が入り交じる場所で、来良学園竜ヶ峰帝人は、非日常に恋をする――
「…………はぁ」
いない。何処にもいない。
帝人はもう1週間も、新宿の情報屋・折原臨也を見ていなかった。
あの人、暇を見つけては静雄さんにちょっかいかけに来てるのにな……
僕には会いに来ないくせに
帝人は少し空を睨み、呟いた。
「明日は学校も休みだし……行こうかな……」
うん、そうしよう。
帝人が1人で頷いていると、急に目の前に正臣の顔が出現した。
「行くって何処に? あ、もしかして、お子様な帝人クンも到頭ナンパに行く気になったかな?」
「わっ、き、紀田くん!?」
因みに今は学校帰りである。杏里は用事があるとか言って先に帰り、帝人は正臣と二人帰路を辿っていた。
「酷いなー、帝人。何か俺のコト忘れてね?」
図星を指され、帝人は返答に困った。
「あーはいはい、折原臨也ね、言わなくていいよ、分かってるから」
嫌そうな顔で正臣は言った。何故か、正臣は臨也が大嫌いだ。
帝人にしてみれば、折原臨也は大好きな非日常をくれ、たまに助言なんかもしてくれて、優しくていい人だと思うのだが。
「あの帝人が恋煩い、って思ったら相手はアレなんだもんなー
世の中はなかなかに複雑だ」
そして、正臣は知らない。もう帝人の片想いではないという事を。
「まー、行ってきたらいいんじゃねぇの? 平和島静雄みたいに、ドア蹴破って入ってやれよ」
正臣は投げ遣りに言うと、じゃーな、と角を曲がる。
「あ、うん、バイバイ正臣」
×××
帝人は制服を脱ぐ。何を着ていこう。少し乙女チックに悩んでみたが、結局いつもの服を手にとる。
貧乏学生1人暮らしに、レパートリーはないのである。
まぁ臨也が買った物もあるのだが……今から少し文句を言いに行こうというのにそれはないだろう。
「臨也さん……ふふ、今日こそは遊びましょうね」
×××
新宿。
臨也に会いに何度も来たから、もう迷う事はない。
竜ヶ峰帝人はすたすたと歩き、事務所の前で止まる。
「……波江さん、まだいるかな? ……まあ、別にいいよね」
帝人は鍵を鞄から出し、静かにドアを開けた。
ゆったりとした廊下を歩く。この時間だし、きっと家にいる。いなかったらいなかったで適当に待てばいい。
帝人は無言でいつも臨也がいる部屋のドアを開ける。
……いた。
「波江? 忘れ物でもしたのかい? ドジだねぇ。そんなことじゃぁ……って、帝人くん!?」
反応が無いことに違和感を覚え顔を上げた臨也は、入ってきた主が帝人だったことに驚き、思わず手にした書類の束を落とした。
「何をしてるんですか? 臨也さん……」
帝人はクスリと笑った。
「……何、って……というか帝人くん、どうやって入ったの?」