臨也総受け
□かぼちゃ。
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「しーずーちゃぁん♪」
静雄が玄関の扉を開けると、ぼふっという音をたてて何かが頭に被せられた。
頭に手を伸ばし載っけられたそれを見ると布のかぼちゃ。
「あ"? なんだこれは」
「やだなぁ、シズちゃん、ジャック・オ・ランタンじゃん。まさか知らないとか言わないよね」
……あぁ、ハロウィンか。そういやなんか幽が言ってたっけな。
「妹が押し付けてきたんだよ。俺いらないし、波江さんに押し付けたらフラれちゃったから、君にあげるよ」
「いらねぇよ! てめぇが被っとけ。つかいちいち人の家に押し掛けといて用件はそれか」
静雄が手にしたコップが悲鳴を上げる。
「ふーん。じゃぁ何の用だったらいいのかな」
臨也はにんまりと笑う。
静雄が返答に詰まると臨也の口は楽しそうに左右に引かれていく。
「とっ、とにかく、用が済んだんなら帰れ」
「おっと」
臨也は閉められかけた扉を抑え、するりと部屋に上がり込んだ。
「ふふ、シズちゃんも素直じゃないね」
「――、てめぇにだけは言われたくないな」
「それは良かった。さぁシズちゃん、俺明日はフリーなんだ。だから、さ」
臨也はさっきの嫌な笑顔ではなく、静雄以外に見せることのない柔らかい顔で微笑んだ。
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カレンダーを見て慌てて書いたことは内緒です←