臨也総受け

□かぼちゃ。
1ページ/1ページ





「しーずーちゃぁん♪」


 静雄が玄関の扉を開けると、ぼふっという音をたてて何かが頭に被せられた。


 頭に手を伸ばし載っけられたそれを見ると布のかぼちゃ。


「あ"? なんだこれは」


「やだなぁ、シズちゃん、ジャック・オ・ランタンじゃん。まさか知らないとか言わないよね」


 ……あぁ、ハロウィンか。そういやなんか幽が言ってたっけな。


「妹が押し付けてきたんだよ。俺いらないし、波江さんに押し付けたらフラれちゃったから、君にあげるよ」


「いらねぇよ! てめぇが被っとけ。つかいちいち人の家に押し掛けといて用件はそれか」


 静雄が手にしたコップが悲鳴を上げる。


「ふーん。じゃぁ何の用だったらいいのかな」


 臨也はにんまりと笑う。


 静雄が返答に詰まると臨也の口は楽しそうに左右に引かれていく。


「とっ、とにかく、用が済んだんなら帰れ」


「おっと」


 臨也は閉められかけた扉を抑え、するりと部屋に上がり込んだ。


「ふふ、シズちゃんも素直じゃないね」


「――、てめぇにだけは言われたくないな」


「それは良かった。さぁシズちゃん、俺明日はフリーなんだ。だから、さ」


 臨也はさっきの嫌な笑顔ではなく、静雄以外に見せることのない柔らかい顔で微笑んだ。




――――――――――――――



 カレンダーを見て慌てて書いたことは内緒です←


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ