☆敏感彼氏と鈍感彼女☆

□#2
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「あ、千亜やんか!おはよー」
「おはよ、千亜」
「おはよー、秋穂ちゃん、紗江利ちゃん」
「せやから、“ちゃん”は付けんでえぇて!」
「あぁ、ごめんな?忘れてまうんよ。」
「あー・・・!!今のめっちゃかわいい!!」
「無自覚やんな、それ。」


私の友人の秋穂ちゃんと紗江利ちゃん。
優等生といっても「机が友達やで!」みたいなのではない。

普通に友達だっているし、
クラスのみんなとだって話せる。

まぁ、そんなカンジだ。


そして、彼も・・・


「おはよう、白石くん。」
「キャー、おはようって言うてくれた!」
「えぇ〜!うちにやって!」


女子の黄色い声があがる。
正直。うっとい。

まぁ、絶対に言わんけど。


「よぉ、白石ー。麻生と一緒にきたん?」

「そやでー!」

「やっとかいな」

「うっさいわ、ヘタレ」

「ヘタレ関係あらへんやろ!」

・・・忍足謙也。
コイツは意外と鋭い。

注意だ。

あ、前回言い忘れたんやけど、
忍足謙也と白石蔵ノ介と同じクラスやねん。

ばらされたらすぐに終わるというぎりぎりの
ところに今私は居るわけやけども!

もう、こっちは開き直っとる。

みられた瞬間から、私の希望は欠片もない。
男は嘘をつくから。


「えぇーーー!!なんでなん?!」

うっさ!!
なんやねん!!

白石、白石うっさいねん。

ちゅーか、なんで私を囲んどるん?


「な、なんでしょう?」

「白石くんと付き合うてるん?!」

「付き合うてるよ、」

一応、約束やし。
朝と部活終わりだけやし。
どこに連れ回されるんか分からんけど。

私の時間は夜だけあれば関係あらへん。

「いつからなん?!」

なんやねん、この女子の必死さ。
全く持って意味分からん。

「さっき約束してん。」

「ついさっきぃいいい?!」

「し、白石くん!ホンマなん!?」

「そやで。さっき、俺から言うてん、」

どんな言葉を期待していたのか、
私の周りに集まっていた女子たちは
さっきの私のように希望を失くしたように静かに席へ戻っていく。

結局なんやったんやろか・・・?


ま、えぇか。
静かになったし。


*白石side*

謙也は俺が麻生さんのことを好きやって前から知っとった。
ちゅーか、俺の一目ぼれやったんやけどな。

3年のとき同じクラスになって、
はじめは真面目やなー・・・って思うだけやった。
でも。必死に放課後まで勉強してる姿をみて
支えたいと思った。

それから、ずっとみてきた。

告白すんのも何回も迷った。
さっき謙也が言うたとおり、1年前の俺はヘタレやったんや。

せやけどそれも今日で汚名返上や。

まぁ、人の言ってほしないことを逆手にとって
無理やり付き合わせただけやけどな。

それでも、女子に質問攻めされる麻生さんから
淡々と「付き合ってる」と
言うくれるだけで俺は付き合ってるという実感を持った。


「、?・・・なぁ、白石ー。」

「なんやー?」

「めっちゃ、にやけてるやん!」

「そりゃ、にやけもするやろ。
好きな子が付き合うてるなんていうてくれたら
浮かれん男なんて居らんわ。」

「あんな、それやけどな・・・」

「なんやねん!ホンマ今日はいっぱいいっぱいやから
話かけてこんといてや!」

「・・・わかったわ、」


アカンわ。

ホンマに・・・俺、







―――浮かれとる・・・!
 

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