星の記憶

□過去2
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 時空の扉の前。普段プルートしかいないその空間にイレギュラーな影が一つ降り立った。

『セーラープルート』
「貴女は……」
『ネイビー。ネアでいい』

 名前を言うのと同時にかぶっていたフードを取り、素顔を晒す。
 緩くパーマのかかった色素の薄い金色の髪。隠れていた瞳は深い藍色。フードで隠れていた時にはわからなかったがとてもキレイな顔立ちをしていた。

「では、ネア。この前に話について、もう少し詳しく聞きたいのですが」
『そのために今日はここに来たの』

 まとっている空気は和らいでいたが、表情は以前と変わらずの無表情だった。



「では、聖杯をしかる時にしかるべき人物へ渡すことが私達の使命だと?」
『えぇ。それがいつかはわからない。すぐかもしれないし、何年もあとかもしれない』
「そうですか……」
『ごめんなさい。もっと、詳しくわかれば良いのだろうけど』
「いえ、ネアが気にすることではありません」
『他に、聞きたいことはある?』
「いいえ。大丈夫です」
『そう。じゃあ私はこれで……』

 そう言ってネイビーは席を立つ。

『ねぇ』

 少し歩いたところで足を止めた。プルートは、何か忘れ物をしたのかとネイビーが座っていたところを見るが、何も持ってきていなかったことを思い出す。

『また、来てもいい?』

 振り返った顔には今までの無表情が嘘だったかのような、不安そうな表情が浮かんでいた。

「いつでも、歓迎しますよ」

 プルートの言葉を聞き届け今度こそ本当に帰っていった。








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