青エクA
□混濁とした ー1stー
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モブ燐注意
※白鳥(悪魔化)が出てきます
※既に一度白鳥に強姦された設定です
――眠ぃ……。――
揺れる電車の中、燐は掴んでいる手すりに半ば寄りかかるようにしながら、眠気と格闘していた。
電車の中は、ギュウギュウ詰めというほどではないにしろ、夜遅くの割には混んでいた。
一応空いている座席もあったが、座ったら終点まで寝てしまう自信があるため、あえてドアのすぐ横にある銀色の棒に掴まっているのだ。
眠気に負けて、手が何度も棒を滑る。
その度に何とか意識を覚醒させる、という動作を繰り返していると、ふと背後に気配を感じた。
しかし、わざわざ振り返るのも億劫で、こんな電車の中なのだから、気配があるのは当然だろうと結論付けた時だった。
「んっ…!?」
突然口元に布のようなものを押し付けられる。
鼻と口を覆われ、息を吸った瞬間入ってきた甘ったるい匂いに燐は焦った。
慌ててその布を払いのけた時にはすでに遅く、身体からガクンと力が抜けていく。
「おっと。危ないですよ若君」
倒れそうになる身体を支えたのは、触れたくもないあの相手。
――油断してた。
まさかこんな場所で襲われるなんて――
「お、まえ…っ」
明らかに怒気を含んだ声を向けても、聞こえてくるのはいやらしくせせら笑う声だけだった。
「お久しぶりですね、若君」
ねっとりと耳元で囁くのは、忘れたくてたまらなかった、あいつの…白鳥の声。
と言っても、正しくはあの不良の白鳥ではない。
悪魔に取り憑かれた状態のあいつだ。
だから外見は白鳥なだけで、中身は完全に悪魔。
「大変だったんですよ?あれ以来、若君はめったに外へ出て来なくなったんですから」
言いながら燐の制服のネクタイをしゅるりと解く白鳥。
「…ッ、当然、だろ!」
あんな倉庫みたいな場所で無理やりに犯されて、気を付けない奴がいる訳がない。
そんな意味を込めて背後を睨みつけようとすると…
「ひ…ッ」
緩められたシャツの襟から覗いた首筋を、長い舌で舐められる。
悪魔化した白鳥の全身は、当然の事ながら一般人には普通の人間にしか見えないが、悪魔である燐からは異常に長い舌や鋭利な爪、牙や角がありありと見て取れた。
いつもならば嫌悪しか感じないこの行為も、さっき嗅がされた変な薬のせいで快感へ変換されようとしていて、燐は焦ったように抵抗する。
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