記念日B
□クシナさんの楽しい誕生日
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誕生日当日、友人たちはミナトとの待ち合わせの前にプレゼントを持って来てくれた。
「誕生日おめでとう。これからデートでしょ?」
「楽しんできてね!」
「ありがとう!」
プレゼントを置いて早々に帰る友人たちを笑顔で見送っていると、すぐにミナトが迎えに来た。
「…おはようクシナ」
「お、おはようミナト…?」
すぐに異変に気付いたが、まったく理由がわからない。
なんで笑顔なのにそんなに怖いの。
オーラが怖いよ、オーラが!
私何かした!?
っていうか、あれ?私悪くないよね?
そんなことを心の中でつぶやく。
「みんなプレゼント持って来てくれたんだ?」
「あ、うん」
ミナトは「よかったね」と言いながらプレゼントを見つめる。
笑顔だけど、なんか怖い。
「…まだ俺が渡してないのに…」
ミナトが小さな声で呟いた声が聞こえず「ミナト…?」と私尋ねると、ミナトは、はっとしたように苦笑した。
「ごめんごめん。クシナ、それ部屋に置いておいでよ」
「あ、うん。ちょっと待ってて」
皆からのプレゼントを部屋に置いて、ミナトと大通りへ歩き出した。
「皆からのプレゼントに嫉妬してた」なんて聞いたのは結婚してからずいぶん後になってからだった。
≪2、あれ?私悪くないよね?≫