記念日B

□ポッキーの日
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「ポッキゲームしようよ」










一緒に修業をして一休していた時、突然ミナトが言い出した。


「な、何言ってるってばね!!」

にっこり笑って突然何言い出したかと思えばポッキーゲーム。

「だって今日11月11日でポッキーの日だもん」

「だもんって、別に皆が一斉にポッキーゲームするわけじゃないからね!?」

「えぇ〜、そうだっけ?」

私がつっこむとさも残念そうに文句を言う。




「一年に一回しかない記念日なのに…」

「ポッキーの日って記念日だったんだ」


「せっかくポッキー買ってきたのに…」

「ポッキーゲームする気満々じゃない!!」


「ん、いいでしょ?」

「いくない!普通に食べればいいじゃない!」


「普通に食べたんじゃ面白くないでしょ?」

「面白さを求めない!」



肩で息をして突っ込む。

やけにしつこい。






「…そんなにイヤなら、仕方ないね…」

ミナトはシュンとしてポッキーの箱を開ける。

ちょっと罪悪感はあるけどここは折れたら負けだ。

「せっかくクシナと恋人同士になったから、ポッキーゲームしようと思ってのにな…」

良心がズキズキと痛む。

確かに先日念願かなってやっと恋人同士になれた。

「楽しみにしてたのにな…」

だから楽しみにしていた、なんて言われると弱いわけで。

「…でも、クシナが嫌なら仕方ないよね」






残念そうに笑うミナトにとうとう折れた。

ミナトにはかなわない。


「…一回だけだってばね」

頬を赤く染めて拗ねたようにそう言うと、ミナトはすぐに嬉しそうに笑って頷いた。


そんな恋人の記念日。







押して押して、引いてみる。
END 2010/11/11

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