記念日B

□クリスマス
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クリスマスは恋人と街でデート。

街はクリスマスのイルミネーションでキラキラ輝いて、いつもよりにぎわっている。

行き交う人は皆わくわくそわそわと、なんだか楽しそう。

恋人たちも仲よさそうに腕を組んで歩く。

夜にはいつもよりちょっと豪華なディナーを食べる。

おいしい料理を食べ終わって渡されるのは小さな箱。

それが何かなんて、聞かなくてもわかる。

それから恋人たちは仲良く帰っていく―…










「…っていうのが、クリスマスの恋人達の定番なんだけど」

「ん。そうだよね」

クリスマス。
そう、クリスマスなのよ。

なのに。

「なんでそれがわかっててこれ!?」

私たちは家にいる。

正確には居間でこたつに入ってテレビを見ている。

普通の恋人たちはクリスマスデートしてるって言うのに、どういうことよ!?

「クシナもデートしたかった?」

テレビはクリスマス特集で恋人達のデートスポットを取り上げていた。

「そりゃそうよ」

女の子の憧れよ。

私がそう言うとミナトはそうだよねと笑った。

「なんでデート行かないの?」

不機嫌丸出しでそう聞くとミナトはご機嫌な笑みで答えた。

「ん、クリスマスくらいクシナをひとり占めしたいじゃない」

その言葉を聞いた私がこれ以上なく赤くなったのは言うまでもない。








夕食はきっとミナトさんの手料理。
1日遅れですんません…
END 2010/12/26

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