記念日B

□おでかけ
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「ほらミナト!行くわよ」

「ま、待ってよクシナ」




「お花見に行こう」そう誘ったのは俺。

日々火影の仕事でクシナにさびしい思いをさせているので、たまには二人で出かけようと思ってクシナにそう言った。

俺が誘った時クシナは一瞬きょとんとしてそれから満面の笑みに変わった。

それから楽しそうに準備をしていた。

やっと今日、お花見に行く。






「うっわー!きれーい!」

「すごいね」

桜の名所と有名な場所を訪れるとそこは一面のピンクで埋め尽くされていた。

二人で思わず言葉を失って、少しそのまま立ち尽くしていた。

やっと言葉が出るようになってクシナと俺は笑って桜を称賛しあった。

咲き誇る桜のかなを二人で手をつないで歩く。

桜の雨が降る中歩いていると、クシナが突然手を離して走り出した。

「ク、クシナ?」

クシナはくるりと俺の方へ向いて止まった。

「ありがとねミナト」

その笑顔は桜のようにきれいだった。

「こんなきれいな桜見れて嬉しい!」




気がついたら俺はクシナを抱きしめていた。

腕の中でクシナが「ミ、ミナト?」と慌てている。

なんでかな。

桜の中で笑うクシナがあんまりにもきれいすぎて、桜の精かと思ったんだ。

桜のように、春が過ぎたらいなくなってしまいそうで、怖くて、抱きしめた。


クシナはしばらく俺の腕の中でもぞもぞしてたけど、しばらくして動くのをやめて俺に体を預けた。

そして小さな声で言った。


「これからも、ずっと一緒よミナト。…大好き」



クシナは俺の心が読めるんだろうか。

胸が熱くなって腕の力を強めた。

本当に君って人は…




「俺も、愛してるよクシナ…」






桜に誓って。
それは永遠だ。




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