彼と彼女のファンタジーな展開7題

□彼が猫になっちゃった!
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「……ナ……シナ………」

「…ぅん…」

「…おきて、クシナ」

「…ん…?」





閉じていた目を開けると目に前にミナトの顔があった。

そう言えば昨日はミナトの家に泊まったんだっけ。

そんなことを霞がかった頭で考える。




「ん、おはようクシナ」

「…おはよう…」



いたずらっ子のように無邪気に笑うミナトの顔が映った。

そして目をこすると、だんだんおかしいことに気付いた。




「…ミナト、それ…」

「可愛いでしょ?」







ミナトの頭に猫耳が生えていた。












カチューシャだっていうことはわかるけど、突然のことに言葉が詰まってしまった。


「え、あ、うん…でもミナト…」

可愛いって言われるの嫌いじゃなったっけ?



ミナトは中世的な顔立ちから、幼い頃から可愛いと言われることが多く、男らしくなりたかったミナトは可愛いと言われることが好きではなかったはずだ。



「ん。好きじゃないけど、たまにはいいかなって」

無邪気に笑うミナトを見て、大人になって可愛いと言われることは少なくなったからかな?なんて思った。

思わずクスリと笑ってしまった。


「うん。可愛い」


そう言ってミナトの頭を抱えるようになでた。



ミナトは私に頭をこすりつけた。

本当に、猫みたい。



「クシナ好き〜」

「私も」





しばらくそのまま過ごした。

そんな幸せな朝。



END 2010/11/4

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