選択式お題

□アイスを半ぶんこ
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「さむーい」


私はこたつの中で駄々をこねた。
後ろからミナトの笑い声が聞こえる。

「暖房の入った部屋でこたつに入っているのに?」

「寒いものはさむいの!」

丸くなる私。

その背中が温かくなった。

「これなら、寒くない?」

後ろから私を抱きしめるミナト。

あーもう。
文句なんて言えないじゃない。

ミナトはクスクス笑った。

「はい。さっきたのまれたもの」

私はそれを笑顔で受け取った。

「こたつで食べるアイスがおいしいのよね」

「散々寒いって言って、結局アイスなんだ」

ミナトの言葉を無視して私はそれをほおばる。

口の中に広がるひんやりとした甘い香り。

「冷た。でもおいしい」
「よかったね。俺にもちょうだい」
「…じゃ、あーん」

私はミナトの口にアイスを入れる。

ミナトは笑いながら私を抱き締めた。

甘い甘いアイスを食べながら一緒に過ごす。




窓の外を見ると雪がちらちら舞っていた。

今日も冷えそうだ。

寒い。

そう言えばきっとこの人はまた私を抱きしめる。



この人、本当に私に甘いわ…


甘いアイスを食べながら午後のひと時を過ごす今日この頃。







食べてるのは雪見○いふく。
END 2010/12/21

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