彼のセリフシリーズ

□辛いときは俺に言ってね
2ページ/3ページ



軽くドアをノックすると中から緊張した声が聞こえた。

その顔がありありと浮かんで思わず笑顔になってしまった。

入るよ、と声をかけてドアを押した。




ドアの向こうにいたのは、真っ白なドレスを着たクシナ。




緊張した様子で椅子に座っている。

後ろ手にドアを閉めて、思わず感嘆の息を吐いた。

「すごく、綺麗だね」

俺がそう声をかけると、クシナの顔は途端に赤くなった。

そういうところも、すごくかわいいよ。

「ミナトも、もう用意できたの?」
「うん。だから花嫁の様子見にきた」

俺の「花嫁」という言葉に照れたのか、クシナはうつむいた。

俺は近くから椅子を持ってきて、クシナの正面に座った。

そして、クシナの手をとった。

「式が始まる前に言っておきたいことがあるんだ」

クシナは不思議そうに俺の顔を見て首をかしげた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ