彼のセリフシリーズ
□辛いときは俺に言ってね
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軽くドアをノックすると中から緊張した声が聞こえた。
その顔がありありと浮かんで思わず笑顔になってしまった。
入るよ、と声をかけてドアを押した。
ドアの向こうにいたのは、真っ白なドレスを着たクシナ。
緊張した様子で椅子に座っている。
後ろ手にドアを閉めて、思わず感嘆の息を吐いた。
「すごく、綺麗だね」
俺がそう声をかけると、クシナの顔は途端に赤くなった。
そういうところも、すごくかわいいよ。
「ミナトも、もう用意できたの?」
「うん。だから花嫁の様子見にきた」
俺の「花嫁」という言葉に照れたのか、クシナはうつむいた。
俺は近くから椅子を持ってきて、クシナの正面に座った。
そして、クシナの手をとった。
「式が始まる前に言っておきたいことがあるんだ」
クシナは不思議そうに俺の顔を見て首をかしげた。