記念日B
□特別な日 saidミナト
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今一番の悩みは、赤い髪の彼女のこと。
きっかけはほんの些細なこと。
クラスメイトの友人が誕生日にプレゼントをもらっているのを見て、なんとなくクシナの誕生日はいつなんだろうと思った。
本人に聞いたら、なんだかうまくはぐらかされてしまった。
後から思えば、それはきっと教えても何もなかった時寂しいからだと思う。
仕方がないので先生に聞くと、先生は苦笑して教えてくれた。
誕生日はほんの少し先の7月10日。
俺は今からクシナの誕生日プレゼントを考えることにした。
けれど、通りを歩いてみても、ピンと来るものがない。
そもそもクシナは何が好きなんだろう。
普段のクシナを思い浮かべても、喧嘩しているか、修行しているか、そんなところしか浮かばない。
「全然知らなかったんだなぁ・・・」
改めて考えてみて何も知らない自分に気付いた。
知らないなら仕方ない。
「よし!」
クシナの好きなものを探そう!
俺は足早に家に帰った。
その日からクシナのことをよく注意して見てみると、男勝りといわれる彼女は可愛いものが好きなことが分かった。