過去拍手
□教育実習生と恋する5題
1ページ/5ページ
1.たったの二週間
「はーい静かに」
先生の言葉で朝のざわついた空気が静かになった。
「昨日言っていたように、今日から2週間教育実習生が来るので紹介します。入って」
がらりと扉が開いてスーツを着た青年が入ってきた。
静かだった空気がまたざわついた。
「それじゃぁ自己紹介して」
「はい。波風ミナトです。担当教科は歴史です。これから2週間よろしくお願いします」
優しい空気をまとった青年はにこりと笑った。
女の子達のいろめきだった囁き声が聞こえる。
「ねぇねぇクシナ。超かっこよくない!?」
興奮した友達の声に僅かに頷きながらそろりと見ると、目があった。
ほほ笑まれて思わず俯いた。
ただでさえ苦手な歴史の授業。
これじゃぁ、勉強なんて身に入らないってばね…!