過去拍手

□きみをたぶらかす天使
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その後のミナトさん。


「…ご機嫌そうね」

私が廊下で声をかけると、振り返ったミナトが超笑顔で頷いた。
あぁなんで声かけてしまったんだ私。

「もちろん」

なまじその理由を知っているため、そこから先を聞きたくない。
でも相手はお構いなしに話し始める。

「本当にクシナは可愛いよね。術が成功したときあの笑顔!太陽というかひまわりというか、俺には輝いて見えるよ。もちろん一生懸命頑張る姿も好きだよ。何度失敗しても果敢に挑むあの目は強くて好きだな。まっすぐで綺麗で純粋だ。一緒に練習してそれを余すことなく独り占めできてすごく幸せな一週間だったよ」

「…そう」

ねぇクシナ。
なんでこんな奴が好きなの?
笑顔なだけの変態だよ?
この分じゃ、クシナが告白する前に婚姻届け出されるかもしれないわよ。

あぁそういえば伝えておくことがあったんだ。
本題を忘れてた。

「この間ので、クシナに風当たりが少しきつくなったから」
「…わかった」

思案顔のミナトにこれなら大丈夫だろうと確信した。
多少のいじめなら私が出張れるし、ミナトの協力があるならこれ以上きつくなることはない。


「クシナのあの天使のような笑顔は守ってみせるよ」



…本当にどうして、こいつが好きなのクシナ。







ミナトが猫かぶり。
2013/5/9
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