おだい
□残念ながらべた惚れ
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木の葉の里は明日のクリスマスのためのイルミネーションで綺麗に彩られていた。
道行く人も、心なしかそわそわしているように感じる。
本当だったら俺もその中の一人になるはずだったのに、とか思いながら道を進む。
クリスマスはクシナをデートに誘って一緒に過ごそうと思っていたのに、他里に行かなければならない任務が入ってしまい、年内に戻れるかもあやしくなってしまった。
こんな時、定休のない忍びはソンだと柄にもなく思ってしまう。
はぁ、と溜息をついて仕方ないと自分を納得させ、明日からの任務のために忍具を調達しようと店に入った。
店から出て、帰路に着くと少し先に真っ赤な髪を見つけた。
内心ラッキーと思いながら俺は足早にその姿に近づくと声をかけた。
「やぁクシナ。買い物?」
「ミ、ミナト!?」
振り返った彼女はとても驚いた顔をしていた。
そんなに驚かせたつもりはなかったんだけどなぁ。
俺が笑うとクシナは拗ねたように言った。
「びっくりさせるなってばね」
彼女に謝りつつも、可愛いなと思ってついつい顔がゆるんでしまう。
笑われたことが気に入らなかったのだろう、クシナは腕を組んでツンとそっぽを向いてしまった。
「いつまで笑ってるのよ」
「ごめんごめん。お詫びに甘いものでもどう?」
さり気無くクシナを誘うと、彼女はしぶしぶ承諾した。