おだい

□その笑顔は反則だから
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※学パロ
※クシナがモテモテの女王様




自慢ではないが、クシナはモテた。

成績は中間くらいだけど、運動神経はかなりいい方だし、スタイルも悪くないし、美人だと言われる。

明るくて強気な性格も反映して、当然のように告白されることも多い。

しかし、何人かと付き合ってはみたが、長続きはしなかった。

大きな理由としては、クシナの性格故相手が付いてこれないから、らしい。

友人達が口を揃えて言うのだから、恐らく間違いないだろう。


友人いわく、「クシナに付いていける男なんていない」だそうだ。

酷過ぎる。

モテるのと付き合えるかはまた別問題らしい。



クシナは半ば諦めて中庭のベンチでジュースを飲んでいた。

すると、誰かに呼ばれた。

「うずまきクシナさん」

その声に顔をあげると、にこにこ笑う優しそうな男子がいた。

その顔には見覚えがあった。

「…A組の波風ミナト…君?」

男子の中にもクシナと同じような人がいるが、ミナトは女子の人気も高いが、柔らかい性格から男子にも人気があった。

その彼が何の用だろうか。

「知っててくれたなんて嬉しいな」

ミナトは本当に嬉しそうに笑った。

「…それで、何か用?」

クシナは強気な性格故に、優柔不断な人や優男はあまり好かない。

だから雰囲気から波風ミナトは苦手だった。

けれどそんなクシナの心中を知ってか知らずか、ミナトは楽しそうに話す。

「ん、用と言うか…伝えたいことがあって」

「伝えたいこと?」

クシナが首を傾げると、ミナトはうん、と頷いた。

「俺、うずまきクシナさんが好きです。付き合ってください」


接点もなければ当然話したこともない人から告白をうけたのは初めてではない。
しかし、正直驚いた。

「…なんで私なの?」

ミナトは人気があるから当然モテるだろう。

強気な自分と優しい彼では明らかに相性が悪いのではないか。

告白された恥ずかしさや嬉しさといった感情をさしおいて不思議だと思った。

けれど返ってきた答えは簡単だった。

「俺がクシナさんが好きだから」

単純明解な返答に思わず「…そう」と答えてしまった。

しかし、どうしようか。

彼のことを好きかと聞かれれば、多分違う。

試しに付き合うにしても相性が悪いのではないか。

そんなクシナの考えを見抜いたのか、ミナトはうーんと考えた。

「俺はクシナさんと相性が悪いとは思わないよ。むしろ補い合える、いい関係が作れると思う」

「………」

黙り込んだクシナにミナトが苦笑した。

「まぁ、まだ初対面みたいなものだから、仕方ないかもしれないね」

誰だって躊躇するよね、と笑い、じゃぁ、と続けた。


「お試し期間を1週間設けてみない?」




「…お試し期間?」



「ん、一週間付き合ってみて、最後の日に改めて告白するから正式な返事はその時に。どうかな?」




クシナはしばし考えた後こくりと頷いた。

それなら良くも悪くも一週間で区切りがつく。

「分かった。それでいい」

ミナトは嬉しそうに笑った。

「ありがとう。それじゃぁ、これからよろしく、クシナさん」

「よろしく、ミナト君」







それから一週間後、ものの見事にクシナがミナトにおちたのは言うまでもない。


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