あの日から僕の狂気は止まらない

□第一章
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人なんて所詮、嘘で固められた肉塊にすぎなくて、いつも計算ハズレの行動をする。


異常なほどに強くて脆い。
訳がわからない。




僕はまわりの人間と、きっとかなり違っているだろう。だから、笑って人間に紛れる。




でも、




そんな僕でも執着…、いや、愛する人間はいる。……男だけど。



一方通行でしかない、この狂ってしまいそうなほどの思いを、僕はもう抑えきることができない。


あの日さえ無ければ、きみはまだ僕から離れなかったかもしれない。






そして、あいつさえ生きていなければ、きみは………。


















「……アハハハはっ!」


「わぁッ、……瀬織急にどーしたのー?」




目をぱちくりとした皐月はすごく滑稽にみえる。





いつもは余裕たっぷりな顔をしてるからこういう一面を見ると凄くおもしろい。





「ハハッ皐月、見てくださいよコレ。
会長サマのひとりでシコッてるとこですよ(笑)」



自身が先ほどまで見ていたパソコンを皐月のほうに向けると、皐月が目を細めて笑いだした。



「プッ、ちょっ瀬織〜!なにこのオモシロ動画ッ…!!つうかどこから入手!?」

「企業秘密ですよ。」



人差し指を口にあてた。

皐月は何かを悟ったかのように妖しく微笑む。そして、それがまた美形な皐月のすることだから一層似合うのであった。



「瀬織ってホント…、いい性格してるよね♪」

「やだな、策士って言ってくださいよ。」





そう。
すべては僕とあの子のため―…


あの子の嫌いなものは、すべて排除しよう。
あの子に近づく害虫は、すべて殺してしまおう。
あの子が望むものは、僕がすべて用意しよう。


だから……、だから、僕を―−



ぎゅっと目を瞑ると、こんなにも鮮やかに見えるあの子の姿が、今では少し遠く感じた。




(それでも、僕は―…、)




「離さないよ、……“卯玖”……?」





だってきみは、僕が見つけた――――だから。






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