あの日から僕の狂気は止まらない

□第三章
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心を壊すのは、心を壊される痛さを知っているから。


光を失われて、進む道なんて、



歪むのみ。



ねぇ、卯玖…。




貴方が離れていくなら、僕は鬼にでもなろうか?




それくらい……、




愛してるよ。












「いらっしゃい、会計さま?」

「なんで平凡が…っ!?」


会計さま…、双子の兄のほうは目を見開いた。


僕は思わず笑いそうになったが必死に堪えた。




…だって、これからこの人は無様に壊れてくんだよ?




…ああ、なんておもしろいのだろうか。






「だって、会計さまを呼び出したのは僕ですから。」ニコリ


「は?寝言は寝て言いなよ。大体、お前があの人なわけないだろ。」



ッハハハは!


何、幻想抱いてるの?

僕は、ただの、普通の、平凡な顔なんだけどなぁ。




「…知ってました?今、この倉庫の中にはあと2,3人いるんですよ?」


僕がニヤリと笑えば、一気に今まで自信ありげだった双子兄の顔は青くなった。


「…どういう、…っ!?」




背後に配置させていたSPたちが動きだし、2人は会計兄の動きを制した。





「ねぇ、貴方たちが僕の邪魔をするからですよ?黙ってれば……、



生かしてたかもしれないのに。」

「…っ、離せ!」


クスリと笑いながら会計兄に近づくと、より抵抗が大きくなった。


でも、そんな抵抗なんて関係ないから。




僕はもう1人いたSPから薬品の香りがするハンカチを貰うと、それを会計兄の口と鼻に押し当てた。



「ゆっくり、眠って下さいね?」




その時間が、貴方という心のタイムリミットだから。



会計兄の体から、力が抜けた。





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