Dream

□ささやかな願い
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「退屈か?」


一段落ついた以蔵が私の隣に座った。


「全然!」

そういって用意していた手拭いを渡す。
これも私の日課。


毎日見ていてよく飽きないものだ、と笑って汗を拭く以蔵になんだかドキドキする。


「どうした、顔が赤いぞ」


「なんでもないよ」


「何もないのに赤くなるわけないだろう。具合でも悪いのか?」


「以蔵がかっこよかったからちょっとドキドキしただけ」


そう伝えたら今度は以蔵が赤くなって固まった。
こんなやり取りも一つ一つが宝物みたいに感じる。



私ね、以蔵との何でもない日常がすごく嬉しいの。
だから毎日以蔵の鍛錬を見ていても少しも飽きないんだよ。


だからね、

明日も明後日も、ずっとこんな穏やかな日が続くといいな。
明日も明後日も、ずっと以蔵の隣に居られたらいいな。



言葉じゃ上手く伝えられそうにないから心の中で祈るだけだけど、これが私の一番の願い。


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