忍者
□私たち、失恋しました
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知っちゃった。知ってしまった。
あなたが誰を想っているのかを。
「サクラ、今なんて?」
某甘味処にサクラといのはいた。
二人は休みが珍しく被ったので、二人でショッピングに出掛けたのだ。
そして、少し休憩をとろう、ということで適当な甘味処で茶を飲んでいた、が。
いのはサクラの信じられない発言に我が耳を疑った。
さっきまで普通の世間話をしていたから尚更で。
「だ、か、ら! 私、サスケ君を諦めるから!」
聞き間違いではなかった。
いのとサクラは長年、サスケを巡って幾度も喧嘩…最悪、殴り合いをしていた。
二人が決別したのだって、半分はサスケのことが好きだったから。
それ以来、二人は恋敵として何度も戦ってきた。それが当たり前だった。長い戦い。なのに。
それが今、サクラの一言で崩れようとしている。
「なんでよ!? アンタ、あんなにサスケ君のこと好きだったのに…っ」
信じられなくて、思わず叫んでしまった。
そうだ。これは罠だ。自分に油断させて、サスケを奪おうとしているのだ。
ライバルが減ったらこっちとしては良いのに。
なのになんで、引き止めたがるのだろう。