忍者
□待てないよ
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明後日はバレンタインデー。
好きな人にチョコを渡す日、らしい。
「あるいは、世話になっている人に渡すのよ」
任務後、そう教えてくれたのは、初めてできた女の友達だった。
「お世話になっている人、か…」
自分の場合、イルカ先生やカカシ先生、目の前にいるサクラちゃんがそれに値するだろう。
そして好きなのは、少し離れたところにいる一緒にスリーマンセルを組んでいる真っ黒な男の子で。
「ナルトは? 好きな人に渡さないの?」
「ぅへぇ!?」
一気に林檎のように真っ赤に染めあがったナルトを見て、サクラは面白そうに見つめた。
そして、少し離れた一人の少年は、大きく目を見開いた。
「で、でもアイツが受け取ってくれるかわかんねえし…」
「でも一応作ったら? 作っとけばよかった、と後悔するよりかマシだと思うけど」
「た、たしかにそうだけど…」
今のサクラはサスケを諦め、今は自分の応援してくれる。
何故諦めたのか、教えてくれなかったけど。
「でも、みんなに配るくらいのチョコないし…」
「私も作るから、義理は一緒に出し合いましょ? でも、本命は自己負担よ?」