忍者
□君に届いた。
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晴れて下忍になって、オレは少し複雑だった。
だって、もう毎日アイツに会えないから。
アカデミーにいた頃…卒業したばっかりだが、毎日アイツを見つめることが出来た。
けど、今日からそれが出来なくなる。
キッカケ…結局無かったな。これで、アイツと別れることに…。
説明会。アイツの隣の席が空いていたので、そこに座る。
「なんでオレの隣に座るんだってば!? 他に席があるだろ!」
「空いてんだからいいだろ」
思っていた通り文句言われたが、そんなことで怯むオレではない。
「サスケくーん! 隣に座ってもいい?」
ドンッ
ちゅっ…
『っ!?』
元クラスメートの春野サクラが俺に抱き付いた直後、唇に柔らかいものが当たった。
だが、それはすぐ離れていった。
「ぎゃあぁぁぁっ!! オレのファーストキスがぁぁっ!!」
その直後、会場に響き渡ったナルトの絶叫。…この場合は、慟哭と言ったほうが正しいか?
無意識で唇に触れる。
今のは…ナルトの…。
表面のオレは無表情を貫き通したが、心の中のオレはガッツポーズをしていた。
ナイスだ…春野サクラ…。