忍者

□君に届いた。
1ページ/11ページ

 
晴れて下忍になって、オレは少し複雑だった。

だって、もう毎日アイツに会えないから。

アカデミーにいた頃…卒業したばっかりだが、毎日アイツを見つめることが出来た。

けど、今日からそれが出来なくなる。

キッカケ…結局無かったな。これで、アイツと別れることに…。




説明会。アイツの隣の席が空いていたので、そこに座る。


「なんでオレの隣に座るんだってば!? 他に席があるだろ!」

「空いてんだからいいだろ」


思っていた通り文句言われたが、そんなことで怯むオレではない。


「サスケくーん! 隣に座ってもいい?」


ドンッ



ちゅっ…



『っ!?』


元クラスメートの春野サクラが俺に抱き付いた直後、唇に柔らかいものが当たった。

だが、それはすぐ離れていった。


「ぎゃあぁぁぁっ!! オレのファーストキスがぁぁっ!!」


その直後、会場に響き渡ったナルトの絶叫。…この場合は、慟哭と言ったほうが正しいか?

無意識で唇に触れる。

今のは…ナルトの…。


表面のオレは無表情を貫き通したが、心の中のオレはガッツポーズをしていた。

ナイスだ…春野サクラ…。

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ