忍者
□生きている意味を探していた子供
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生きるって、そんなに大切なこと?
オレが『生』について、全くっていうほど執着がないのは自覚している。別に自殺希望じゃないけど。
何故かって? だって、生きる意味がオレにはないから。
分からないんじゃない、ないんだ。
オレは疎まれ、憎まれ、たくさんの罵声を受けてきた。
それに抗って、生きている意味を探した。でも…あの日以来、諦めてしまった。
オレは望まれた命じゃないの?
そう絶望した。
だからといって、自分の不幸に嘆いてもいない。だって、それが当たり前だから。
なのに、なんで?
なんでお前はオレを庇ったの?
「お前は馬鹿だってばよ」
目を覚まして耳に入った第一声はこれ。
オレはベッドの横で仁王立ちしているナルトを睥睨した。
はっきり言って不快だ。馬鹿な奴に馬鹿と言われたくない。
そのナルトはというと、オレを見下ろしている。その目は、普段のコイツからして考えられないほど冷たかった。
コイツもこんな目できるんだな、と変に感心してしまった。
それはそうと、なんでオレはベッドで寝てんだ? ベッドに入った記憶がない。