忍者

□戯言と黒い追跡者
2ページ/24ページ

 



「ナルト、お前はこのままで良いのか?」


皆がいない中、カカシ先生に急にそう訊かれた。


「え、なにが?」


意味が分からなくて訊き返すと、カカシ先生は溜息をついた。


「最近、無口だし笑わないじゃないか。イルカ先生も心配している。原因は…サクラとサスケでしょ?」


図星でぐっと言葉を詰まらせた。


「ナルト、サスケのこと…」

「いいんだってばよ。このままで」


カカシ先生が言おうとしている言葉が分かって、オレはすかさずそれを遮った。


「黙れば、すぐ終わるから」

「…余計、ややこしくなっているだけだと思うんだけどね〜」

「? どういう意味だってば?」

「いや、何でもないよ。それでナルトは後悔しないのか?」

「後悔も何も、元から期待なんかしてないってばよ」


そう期待なんかしていない。恋を自覚してオレはすぐに諦めたんだ。

後悔なんかするわけがない。もうとっくの昔に諦めているのだから。

カカシ先生は切なそうに眉をひそめた。
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ