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□私たち、失恋しました
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「私、知っちゃったの」
なにを、と訊く前にサクラは悲しそうに笑って。
「サスケ君の想い人」
と、告げた。
驚愕して言葉を失っているいのにサクラは、だから諦めるの、と言って茶を綴った。
「それ…本当?」
懸命に声を絞り出したが、それしか言えなかった。
「本当本当。サスケ君、無表情だから分かりにくいと思ったら、すごく分かりやすいのよね」
とくにある人物になるとね。
だって、あの子と喧嘩した後は分かりやすいくらい落胆するし。
ずっとあの子のこと、目で追いかけているし。
なんだかんだ言って、あの子のフォローするし。心配するし。
いつものサスケ君だったら放っておくしね。
それに…あの子だけなのよね。柔らかい微笑みを向けるのは。
不敵に笑うのはよく見るけど、あんな見る者を幸せする微笑みなんて…私には見せてくれない。
すべてがあの子だけに注がれている。
あぁ、これは私に振り向いてくれないな。
女の勘がそう悲しく告げた。
「だから…諦めるの?」
「実際に見てみなさいよ。あれを見ていると戦意喪失するわ」
「でも、その話からするとサスケ君の片思いなんでしょ?」