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□私たち、失恋しました
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まだ子供と思っていたのに。私のほうが子供だった。
あなたは昔のように幼稚な恋をしていたわけじゃなかったのね。
本当の恋を知って、本当の失恋を知ったのね。
いつの間に成長したのかしら。
「初恋は実らないっていうけど」
不意にサクラは言った。
「私は実らなかったけど、あの二人は実ったんだから、結局は運命の糸次第なのね」
たまたま私はサスケ君の運命の人じゃなくて、私もサスケ君が運命の人じゃなかった。ただ、それだけ。
それだけなのに、とても辛い。
「あの二人のように私も運命の人、見つけられるかな…」
「見つけられると信じるしかないわよ。アンタも私も」
うん…そうだね、とサクラは遠い目をしながら呟いた。
ずっと好きでした。ずっと見てました。
だから知ってしまったのです。あなたの想いを。
嫉妬もしました。妬みもしました。
でも、それ以上にあの子の幸せを願っている私に気づいたのです。
あなた、よりもです。
あの子は12年間、私とスーリーマンセル組むまで友達がいませんでした。
だから、あの子は私のことを大事に想ってくれて。
あんな真っ直ぐな好意を寄せられたら、裏切るなんて出来なかったのです。
だから…。
いつも寂しさと悲しさを纏うあの子をどうか幸せにしてください。
それが私の幸せに繋がるのですから。
諦めてよかったと思えるから。
(泣かしたら、いくら元想い人だからって容赦しないんだから)
あの子とあなた。
どうか、想いが通じ合いますように…。
そう願って、私は失恋します。
おわり