忍者
□待てないよ
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「わ、分かっているってば!」
「そーよね〜。好きな人に作るチョコ代は、自分で払いたいわよね〜」
「さ、サクラちゃん!」
「はいはい。じゃ、さっそく明日のために材料買いに行きましょう?」
「う、うん!」
意気揚々と去る二人の少女の背中を見送りながら、サスケは不機嫌なオーラを撒き散らしながら、帰路についた。
翌日。任務が終わり、ナルトとサクラはそそくさと帰っていった。
サスケはその背中を見つめながら、舌打ちを打った。
(アイツの本命って誰だ…!?)
昨日から、そればかりを考えている。
おかげで、目元に隈ができてしまった。
(イルカか? カカシか? はたまたシカマルか!?)
候補を挙げるが、見当がつかない。
(ナルト…)
ずっと好きだった。他の女なんか目に入らないくらいに。
女らしくなくて、いつも喧嘩を売ってきて。でも、真っ直ぐな子。
全然女らしくならないから、好きな奴はいないだろうと思っていた。だが。
(いたなんてな…)
しかも本気と見た。
失恋決定…。
自分が想い人とは全く思わないサスケ、13歳だった。