忍者
□待てないよ
4ページ/7ページ
「何か用か?」
ナルトが自分の家に用事無しで来ることは絶対にない。
嫌われてはないと思うが、好きではないだろう。今まで、好かれるようなことをした覚えがないから。
あ、そう考えると泣けてきた。
自他共に認める高いプライドでそれを押し込み、ナルトを見据える。
すると、ナルトは俯き、小さな声を発した。
「今日、バレンタインデーだろ?」
「あぁ」
だから、なんだといいんだ?
「だ、だからさ…その………これっ!」
いきなり物を胸に押し付けられ、サスケは眉をしかめた。
なんだ、と思い、物を見て瞠目した。
それは、金の包装紙に赤いリボンでラッピングされた箱だった。
「これ…」
「いいい言っとくけどな! 義理じゃねぇからなっ!」
「…え?」
サスケは我が耳を疑った。
義理じゃないって…ということは……。
オレが本命!?
理解した途端、顔がみるみるうちに赤くなっていった。
不幸か幸いか。ナルトは俯いており、そんなサスケに気づいていない。
「め、迷惑なのは分かっているけど、一応、知ってほしくて!」
迷惑じゃない。むしろ、すごく嬉しいぞ!!