忍者
□待てないよ
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サスケは心の底から叫んだが、それが声に出ることはなく。
「へ、返事はホワイトデーの時でいいから! その時まで考えてってば!」
そう言って、ナルトは踵を返し、その場から立ち去ろうとする。
しかし、それはサスケの手によって阻止された。
「ぅへっ!?」
突然のことにナルトは奇妙な声をあげる。その隙にサスケは後ろからナルトを抱き締めた。
「さ、サスケ!?」
顔を真っ赤に染めながら、ナルトはサスケを呼ぶ。
あまりにもとっさな事すぎて、腕から逃れようとする頭はなかった。
「あの…サスケ?」
とりあえず、この恥ずかしい状況から抜け出したくて、もう一度名前を呼ぶ。
「ホワイトデーまで待てねぇよ」
「え…?」
「一カ月が勿体無ぇだろ? だから、今すぐ付き合いたい」
「な、なに言って…」
「分からないのか?」
分かりやすく言ったつもりなんだけどな。
そう苦笑し、サスケはナルトの耳元に口を寄せ、低い声音で呟く。
「お前が好きだ。ずっと前から」
それで、ナルトが顔を赤くしたまま失神し、サスケのベッドでサスケと一緒に寝ることになったとか。
そして、数時間後。
目を覚ましたナルトが隣にサスケが寝ていたことにより、騒ぎ出したのは言うまでもない。
おわり