忍者

□君に届いた。
5ページ/11ページ

 
手遅れになる前に、ね。


そう呟いたカカシは、なにかを含めたような目をしていた。

…なにか企んでいやがるのか?


「企んでいないから。純粋にナルトを幸せにしたいという、父親にも似たような心境で…」

「だから、心の声につっこむな。それと、ナルトを娘のように思ってるんなら、いい加減に身を固めたらどうだ?
見ているこっちが寂しいぞ。この三十路間近」

「俺、まだ二十六だからね? 三十路間近じゃないから!」

「あと三年したら、三十路間近の仲間入りじゃねぇか。似たようなもんだろ」

「三年って長いよ? 0歳の子が三歳になって、言葉覚えるようになるから!」

「はいはい」


三十路間近を否定するカカシはさておき、問題はナルトだ。

オレに嫌われていると思い込んだままでいると…避けられるかもしれない。

それは嫌だ。

今から行くか? いや、勝算がない。そんな無謀なこと、したくない。

ナルトに振られたら、オレがどうなるか分からない。だから、勝算があって行動したいんだが…。

だが、このまま勘違いされたくないしな…。

これからの人生を掛ける二択だ。慎重に選ばねぇと。


「いやぁ〜。青春だねぇ」

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ