忍者
□君に届いた。
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手遅れになる前に、ね。
そう呟いたカカシは、なにかを含めたような目をしていた。
…なにか企んでいやがるのか?
「企んでいないから。純粋にナルトを幸せにしたいという、父親にも似たような心境で…」
「だから、心の声につっこむな。それと、ナルトを娘のように思ってるんなら、いい加減に身を固めたらどうだ?
見ているこっちが寂しいぞ。この三十路間近」
「俺、まだ二十六だからね? 三十路間近じゃないから!」
「あと三年したら、三十路間近の仲間入りじゃねぇか。似たようなもんだろ」
「三年って長いよ? 0歳の子が三歳になって、言葉覚えるようになるから!」
「はいはい」
三十路間近を否定するカカシはさておき、問題はナルトだ。
オレに嫌われていると思い込んだままでいると…避けられるかもしれない。
それは嫌だ。
今から行くか? いや、勝算がない。そんな無謀なこと、したくない。
ナルトに振られたら、オレがどうなるか分からない。だから、勝算があって行動したいんだが…。
だが、このまま勘違いされたくないしな…。
これからの人生を掛ける二択だ。慎重に選ばねぇと。
「いやぁ〜。青春だねぇ」