忍者
□生きている意味を探していた子供
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霞のかかった頭で記憶を辿る。
しばらくして、だんだんクリアしてきて、あぁ、と思い出した。
(たしか、白との戦いの後、また倒れて…)
白との戦いでコイツを庇って、怪我を負ったオレは一度は目を覚まして、また気を失ったみたいだ。
(あれから、どれくらい経ったんだ…?)
気になったが、今のナルトに訊くのは場違いな気がする。
怒っているのだろう。だが、なんでオレが怒られないといけないんだ? そんな覚えはない。
そこで思い出した。
『なんで…なんだってばよ…なんで…オレなんか…』
ナルトを庇ったとき、たしかにコイツはそう言った。
(オレなんか…?)
コイツは自分を卑下しているのだろうか。
目立ちたがり屋なコイツとしては、意外な発言だった。
(もしかして、コイツは…)
仮面を被っているんじゃないか?
そんな疑問が頭によぎる。
「お前がこんなに馬鹿だったとは思わなかったってばよ。言っとくけど、礼は言わないぞ。余計なお世話だったし、オレの命なんてオレにとってはどうでもいいし」
「…おい。今なんて言った」
今のは聞き捨てにはならない。