忍者
□生きている意味を探していた子供
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「いつも大嫌いって言っているくせに、オレを助けて重体になるわ、お前の命は別って言うわ…ほんと、意味、分かんねー…」
ナルトはそれっきり黙ってしまった。
コイツが静かだと、調子が狂ってしまう…。だが、コイツはもう喋る気はないだろうし…。オレが喋るしかないのか?
頭をフル回転して言葉を探すが、なかなか見つからない。
初めて自分のボキャブラリーの無さに泣けてきた。
「別に…見捨てるほど、嫌いってわけじゃねぇよ…」
そう言うのが、精一杯だった。
別に嘘は言っていない。確かにいつも口では、嫌いと言っているけど、本心では嫌っていない。
むしろ、守りたいとか思って…って、なに言っているんだ、オレ。
「…矛盾してるってばよ、それ」
ぼそっとナルトが呟く。だが、微かに笑っている気配がした。
とりあえず、少しでも元のナルトに戻った、と思う。
「頼むから、もう…自分の命なんてどうでもいいって、言うな…」
ナルトから視線を逸らし、言い続ける。
「お前が死んだら…その……悲しいから」
言い澱みながら、できるだけナルトを見ないようにした。
自覚はしている。らしくないってな!