忍者
□生きている意味を探していた子供
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「うーん…出来るだけそうするってば」
さらっと言いのけた奴の返答にオレは絶句し、ナルトを凝視した。
こっちは恥ずかしい台詞を言ったのに、この反応…!
「ぉま…! 人がせっかく…」
「だって、今はまだどうでもいいって思っているから…また言うかもしれないってば」
でも、とナルトは言い続けた。
「そんなこと言われたの、生まれて初めてだってば」
ありがとう、サスケ。
そう呟きナルトは、喜色が見え隠れした微笑みを浮かべた。
「ーーーっ!」
その微笑みがあまりにも綺麗で、顔に熱が上がり、思いっきり顔を逸らしてしまった。
って、ちょっと待て!! 綺麗ってなんだ!? ナルトは男! だから綺麗はおかしいっ!!
そうだ。普段はこんな風に笑わないから、戸惑っているだけだっ!
だからこの胸の高鳴りも気のせいだっ!!
そんなオレの葛藤も知らないナルトは、ただ、怪訝に首を傾げて。
「変なサスケ」
と、呟いた。
しかしオレはそれに気付かず、ただ胸の鼓動を治めるのに必死だった。
これがオレとナルトの関係が変わる前兆だったかもしれない。
おわり