忍者
□最も価値があるモノ〜アイドル、誕生〜
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ナルトは不思議そうに首を傾げる。
「? 祝わないのが普通じゃねぇの?」
そもそも何で誕生日を祝うの? 全然分かんねぇってば。
ナルトのさも当たり前のような返答に二人は唖然した。
家族がいないとはいえ、誕生日を祝ったことも祝われたこともないような発言。
否、本当に祝われたことがないのだろう。
ナルトは基本、嘘はつかないから。
「なぁー、どうして祝うんだってば?」
子供の純粋な問いに言葉が詰まる。
祝われることが当たり前な自分たちが祝われないことが当たり前なこの子供に、どう説明したらいいのか。
「はーい。そろそろ任務始めるよー」
まるでナルトを庇うように前に出たカカシ。
三人は不満そうに顔を歪むが、一応上司命令だし、この上司が集合時間に間に合ったという奇跡を無駄にしたくないので、そのまま任務に入った。
「ねぇ、カカシ先生は知っているんじゃないですか?」
今日の任務はある場所の草刈り。
例の如く、カカシはサボリ終わった頃を見計らって、姿を現した。
ナルト一人、草を捨てに行った。ジャンケンの結果なので、決して苛めではない。