忍者
□最も価値があるモノ〜アイドル、誕生〜
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ナルトを待っている中、サクラはカカシに先ほどのことについて訊いた。
「知っているってなにを?」
「惚けないで下さい。誕生日のこと、先生は知っているのでしょ」
どうして、ナルトは誕生日を祝われたことがないのか。
三代目はナルトの後見人だし、ナルトのことも想っている。
なのに、何故その三代目までもナルトを誕生日を祝わなかったのか。
「それはね〜…ナルトの誕生日に関係あるんだよ」
口調は軽々しいが、声音は重い。
サスケとサクラは黙って聞く。
「ナルトの誕生日はね、10月10日なんだよ」
二人は息を呑んだ。
10月10日。それは木の葉にとっては、忘れてはいけない日。
12年前、木の葉の里が九尾に襲われ、たくさんの人々と九尾を封印した四代目火影が命を落とした日。
里では毎年その日に慰霊祭が行われている。
「ここからは三代目から聞いた話なんだが、ナルトはその日だと里人からの風当たりが強くなるから、毎年暗い場所に閉じ込めているってさ。
…三代目だって本当は祝いたいんだけど、その日は忙しくて出来ない…。
だから誕生日に良い思いをしたことがないんだよ、ナルトは」